『忘れる読書』を読んで


はじめに

『忘れる読書』という本を読んだのでアウトプットします。以降記事内では『本書』と省略します。

どんな本か

内容や目次は↓に記載されています。

www.php.co.jp


なぜ読むのか

  • 本を読んでも内容あんまり覚えられないなーと思っていたのでタイトルに惹かれた


ざっくり感想

落合さんの読書についての考え方、取り組み方、経験談、おすすめの本などが紹介されており勉強になりました。本全体として「忘れる読書」というテーマについて深掘りしているというよりは、もう少し幅広い印象を受けました。読書を通じてどうやって今の落合さんになったのか垣間見え、落合さんの読書愛を強く感じることができる一冊でした。

「忘れる読書」については、読後に自分の中に残った知識や考えをざっくり頭に入れ、フックがかかった状態、なんとなくリンクが付いている状態で頭の片隅に残しておけば、頭の中を検索すればわかるので記憶しなくてよいという考え方が紹介されています。合わせて紹介されている、忘れることが大事!むしろ忘れよう!という考えはまだあまりピンときていないのですが、文章や内容をそのまま記憶するのではなく、主張に対する自分の考えやキーワードを頭の中に残し自分のものにすることが大事であると理解しました。覚えないと!と思うよりは読書へのハードルが下がりますし、わかりやすい読書への取り組み方なのでいいなと思っています。

印象に残った話

「忘れる読書」についてはざっくり感想に書いたので別の話に触れます。著者が本を「パッケージ」と例えて、頭の中に「パッケージ」があることの大切さを主張しているのが印象に残りました。21〜22ページ、25〜30ページが該当箇所です。

本書では本を「パッケージ」「言語の器」「容れ物」などと表現していますが、いい表現だなと思いました。個人的には「パッケージ」がわかりやすく使いやすい表現で気に入っています。これは本以外にも同じことが言えると思います。例えば映像作品も「パッケージ」と表現できると思いますし、同様に「パッケージ」を共有しあえている状態だと良い速度と深度で会話することができると思います。実際に自分も「パッケージ」が伝わってスムーズ会話が進んだパターンと、伝わらなくて説明が必要になったパターンの経験が思い浮かんだので納得がいきました。本だけでなく、様々な「パッケージ」を頭の中に入れていこうというモチベーションにも繋がりました。


『1 on 1ミーティング 「対話の質」が組織の強さを決める』を読んで


はじめに

『1 on 1ミーティング 「対話の質」が組織の強さを決める』という本を読んだのでアウトプットします。以降記事内では『本書』と省略します。

どんな本か

内容や目次は↓に記載されています。

www.diamond.co.jp


なぜ読むのか

  • 1on1への理解を深めたいと思っており、前に読んだ『ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法』と同じ著者ということで読んでみたくなった


ざっくり感想

著者の前作『ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法』から3年以上経過した中で1on1の普及や前作への反応を受けて、著者の中でアップデートされた内容や改めて伝えたいことを中心に書かれていました。ただし前作を読んでなくても問題なく読むことができると思います。

1on1導入企業の事例紹介で約70ページ、専門家へのインタビューで約100ページもあり、いろんな考えや取り組みを知ることができて面白かったです。サッカーファンとしては上野山さんのインタビューはテンション上がりました。ただ逆に事例紹介やインタビューが多すぎて嫌という人もいそうだなと思いました。

その他にも1on1の目的の章はコンパクトにまとまっていておさらいしやすくて好きです。スクリプトと解説も構成として新鮮で面白かったです。発売がCOVID-19流行後とはいえタイミング的に難しかったかもしれませんが、もう少しリモートでの1on1についての話があったらさらに嬉しかったですね。

印象に残った話

著者の本間さんと専門家の対談がラスト約100ページに書かれています。その中でも渡辺三枝子さんとの対談が印象的でした。

渡辺三枝子さんとの対談では今後意識したい考え方の話が複数ありました。例えば276ページのスモールトークの話。

優れたリーダーを調べていくと「スモールトークがとてもうまい」と言うんです。スモールトークというのは1on1じゃなくて歩いているときなんかにパッと言う一言です。 (中略) こういうリーダーが注目しているのはドゥーイングよりもビーイングなんです。営業でいうと、「頑張ってね」よりも「頑張ってるね」っていう、このたった一言の使い分けでパフォーマンスが大きく変わる、ということです。

普段リモートワークだとスモールトークがあまり発生しないかもしれませんが、スモールトークでなくても"ドゥーイングよりもビーイング"は効果がありそうなので意識したいなと思いました。

新たな知見

ホーソン研究

137ページで登場。

ホーソン研究でググると「ホーソン実験」で結構ヒットするのでホーソン実験と呼ぶ方が一般的なのかもしれませんが、アメリカのホーソン工場で1924年から1932年にかけて行われた生産性についての実験です。 「照明実験」「リレー組み立て実験」「面接調査」「バンク配線作業実験」という4つの実験が行われました。研究の結論については本書では以下のように解説されています。

この研究の結果、「労働者の作業能率は、客観的な職場環境よりも、職場における個人の人間関係や目標意識に左右されるのではないか」という仮説が導き出された。

また以下の記事がわかりやすかったので結論を引用させていただきます。

www.recme.jp

  • 客観的な労働環境や労働条件は生産性にあまり影響を与えない
  • 作業の役割分担とは無関係に形成されたインフォーマル・グループが生産性に大きく影響する
  • 周囲からの注目・評価が生産性に影響を与える

ジョハリの窓

220ページで登場。

自分の理解は以下の通りです。

4つの窓が1つの枠の中にあり、それぞれの窓の大きさが可変すると考えます。

開放:自分も他人も知っている
盲点:自分は気づいてない, 他人は知っている
秘密:自分は知っている, 他人は気づいてない
未知:自分も他人も気づいてない

他人からのフィードバックによって新たな気づきを得ると盲点の窓が狭まります。自己開示によって自分のことを他人に知ってもらうことで秘密の窓が狭まります。盲点の窓か秘密の窓が狭まると、開放の窓が広くなります。開放の窓が広いほど自己認識と相互理解が深まっており、組織やチーム内での良好な人間関係の構築やパフォーマンスの向上に繋がるという考え方です。

認知的徒弟制

231ページで登場。

本書と合わせて以下の記事で何となく流れは理解できましたが、もう少し調べて実践してみないとわからないのでまた別の機会に触れたいと思います。

schoo.jp

www.igaku-shoin.co.jp

www.igaku-shoin.co.jp


『超雑談力 人づきあいがラクになる 誰とでも信頼関係が築ける』を読んで


はじめに

『超雑談力 人づきあいがラクになる 誰とでも信頼関係が築ける』という本を読んだのでアウトプットします。以降記事内では『本書』と省略します。

どんな本か

内容や目次は↓に記載されています。

book-tech.com


なぜ読むのか

  • 雑談力を高めたかったから


ざっくり感想

雑談におけるルールがマルバツ形式(?)で紹介されており、説明が数ページでまとまっていてわかりやすく読みやすかったです。マルバツ形式というのは以下のような感じです。

× がんばっておもしろい話をしようとする
○ ただ会話のラリーを続ける

一つ一つのルールはシンプルですぐに実践できるものばかりなのも良いです。ただしルールの説明を数ページにまとめていることもあってか、説明が浅い印象も残りました。

印象に残ったルール

2 名前を聞いたあと

× 「同じ名前の知人がいる」と盛り上がる
○ 名前の由来を尋ねる

これは○も×もやったことない気がします。やられたこともない気がします。本書では名前や苗字の由来を聞くなどして深掘りすることで、お互いの気持ちが近づくと紹介されてます。個人的には聞いた後の流れについてあまり良いイメージができないので、積極的に使いたいとは思いませんでした。×として紹介されている例は確かに盛り上がりにくそうなので、今後も引き続きやらないようにしたいです。

3 趣味の聞き方

× 「趣味は何ですか?」と尋ねる
○ 「最近ハマっているものありますか?」と尋ねる

これは×をやったことがあるなと思ったルールです。質問として鉄板なのでかなり多くの人がやっていそうです。本書では以下のように書かれています。

「趣味」と言われると構えてしまうけれど、「ハマっていること」と言われると、好きなことや気になっている分野についてすんなり語れます。質問が具体的な上に、「どう思われるか」と他人の評価を気にしなくて済むからです。

正直自分はまだしっくりきてないのですが、こういう考えもあるんだな、と思うことにしました。ただハマっていることを聞かれても趣味と同様に答えにくい人もいるんじゃないかと思います。なので「趣味とか最近ハマっているものありますか?」って合体させて聞けばいいのでは?と言うのが現状の自分の結論です。

35 遊びに誘われたとき

× 「予定を見てみます」と保留する
○ 「いいですね!」と即答する

これはできてないなと思ったルールです。自分は結構正直に反応してしまっている気がします。特にあまり乗り気ではない場合は「予定を見てみます」的な反応をしてしまっていますね。今後はポジティブな反応を見せることを意識したいとは思いますが、全部「いいですね!」と即答するのもどうかと思うので考えて使い分けたいなと思いました。

『個人開発をはじめよう!クリエイター25人の実践エピソード』を読んで


はじめに

『個人開発をはじめよう!クリエイター25人の実践エピソード』という本を読んだのでアウトプットします。以降記事内では『本書』と省略します。

どんな本か

内容や目次は↓に記載されています。 nextpublishing.jp

なぜ読むのか

  • 個人開発に興味があったから


ざっくり感想

自分は個人開発をやってませんが、エンジニアのエピソードを読むのが好きなので楽しく読むことができました。エンジニアそれぞれにストーリーがあってそれを読むだけで面白いですし、個人開発というテーマ以外はフォーマットがなく25人が各々自由に書いているので個性が出ていて面白いです。

個人開発へのモチベーションが上がるような話や、個人開発の知見が多く書かれているので、基本的には個人開発に興味がある人向けの本ではありますが、そうでなくても自分みたいにエンジニアのエピソードを読むのが好きであればオススメできる本です。既に個人開発をしている人であればあるあるネタとしてより楽しめそうです。

印象に残った章

第13章

イシベさんという1人のエンジニアが会社を辞めて無職になってから「PitPa」というサービスを作って起業する話です。単純にストーリーとして一番面白かったです。どんな壁にぶつかって、何を考えて、どう動いたかを主人公(?)のイシベさん視点で書かれており、ドラマを見てるような気分でした。

第16章

エンジニアではなくプログラミング経験もないHirozさんが「このままでいいの?」という思いからサービスを作った話です。「このままでいいの?」という言葉が何回も出てきてHirozさんの熱意を感じますし、同時に自分は「このままでいいの?」と考えさせられます。

第14章から第15章の流れ

番外編で、この2つの章が連続で載っていることが印象に残りました。なぜかというと、第14章では未経験の技術でやろうとするのは個人開発アンチパターンと紹介されていて、第15章では新しい技術に挑戦して時間かかったけど面白かったという話だからです。前後の章で違うことを言ってるのですが、目的や考え方が違うだけでどちらもあっていると思います。個人開発への考え方や取り組み方の違いが出ていて面白い流れでした。

『ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法』を読んで


はじめに

『ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法』という本を読んだのでアウトプットします。以降記事内では『本書』と省略します。

どんな本か

内容や目次は↓に記載されています。 www.diamond.co.jp

なぜ読むのか

  • 1on1への理解を深めたかったから


ざっくり感想

なんとなくしか知らなかった1on1の全体像を学ぶことができる本でした。1on1の効果、テクニック、実践例、ヤフーの取り組みなどをこの1冊で知ることができます。マネジメントする立場にいる人であれば、1on1をやる気にさせてくれる本だと思います。

個人的には「1on1のFAQ」という、1on1についての質問や否定的な意見に対して著者が回答している章が面白かったです。実際に運用していて同じ状況になった時に役立ちそうだなと思いました。

経験学習について

今回は本書を読んで初めて知ったことの1つである"経験学習"についてアウトプットしておこうと思います。

ヤフーが1on1に取り組む理由の1つに「社員の経験学習を促進させる」という理由があります。経験学習とは、経験から学ぶことに重きを置く人材育成の方法です。

本書では「7:2:1」の理論が紹介されていますが、調べてみるとロミンガーの法則という名前であることがわかりました。一般社団法人日本能率協会では以下のように紹介されています。

人材育成において、「70:20:10」の法則というものがあります。「ロミンガーの法則」と呼ばれているものです。米国のリーダーシップ研究機関であるロミンガー社が、様々な経営者を対象に、何がリーダーとしての成長に役に立ったのかを調査したところ、「経験」が70%、他者からの「薫陶」が20%、そして、「研修」は10%であったそうです。

数字の妥当性はともかく、経験の割合が大きいのはしっくりきます。自分のキャリアを振り返っても、薫陶や研修と比較して経験が圧倒的に大きいと感じます。

本書に書かれているのは、ただ経験するだけではなく経験を学習に変換するアクション(=振り返り)が必要であり、そのための場が1on1であるということです。1on1では経験学習のサイクルをまわすことで成長を促します。詳細はヤフーのCorporate Blogにも書いてあります。

業務での具体的な経験(失敗と成功)

内省による振り返り

得られた教訓や気づきの明確化

次の業務への適応や、応用できる理論への昇華

本書には具体例も合わせて紹介されているので、気になった方はぜひ読んでみてください。

ロミンガーの法則についての補足

70:20:10という数字については実証するデータはないそうです。あくまで「仕事から学ぶことが多いよね」ぐらいの感じで捉えるのが良さそうです。

www.ipii.co.jp

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