『ITエンジニア採用とマネジメントのすべて 「採用・定着・活躍」のポイントと内製化への道筋が1冊でわかる』を読んで


はじめに

『ITエンジニア採用とマネジメントのすべて 「採用・定着・活躍」のポイントと内製化への道筋が1冊でわかる』という本を読んだのでアウトプットします。以降記事内では『本書』と省略します。

どんな本か

内容や目次は↓に記載されています。

kanki-pub.co.jp


なぜ読むのか

  • 現在はソフトウェアエンジニアとしてエンジニア業務のみをやっているが、将来的にエンジニア採用やマネジメント、人事領域に関与したいと考えているから


ざっくり感想

本書のタイトルに偽りなく"採用・定着・活躍のポイントと内製化への道筋が1冊でわかる"本でした。エンジニアの採用や組織作りをする立場であれば教科書として最適であり、必読と言える一冊だと思いました。

本書を読むことで採用や組織作りへの理解度が深まるだけでなく、エンジニアの採用やマネジメントをする立場の人が求める行動や意識が理解できます。現役エンジニアであれば、自身の日々の業務内における振る舞いを見直すきっかけになります。エンジニアへの就職や転職を目指す方であれば、本書に書かれていることを意識することで面接対策や会社選びに役立ちます。また、エンジニアがどういうことを考えてエンジニアという職業に向き合い、会社に何を求めているのかについても解説されており、非エンジニアの方にとってもエンジニアへの解像度を上げることができます。

採用や組織作りをする立場になくても、現役エンジニア、エンジニアを目指す方、エンジニアと仕事で関わる方には是非読んでほしい一冊です。

良かったところ

個人的に好きなところや学びになったことをメモしておきます。

売りを見つける

自社のミッション・ビジョン、他社と比べたときの強みや魅力といったアピールポイントが"売り"になると思います。結局これが一番大事であり、様々な施策もここが明確でないとうまくいかないだろうなと思いました。リファラル採用の章でも社員に自社の方向性や強みをインプットしておくと良いと書かれていましたが、今自分が所属している会社ではできてないなと思いましたし、自分も喋れないなと思いました。こういうふうに自社のできてないことが理解できるのも読んでいて面白かったです。

クイズおじさん

よくあるパターンとして、突然理解度チェックのクイズが始まります。普通に会話しているなと思ったら突如「さて、ここで問題です」と出題してくるのです。

(中略)

「クイズが辛いんです」

字面にすると変なのですが、過去に数件、泣きながら若手に相談されたことがあります。

本書の中でも印象に残った話の一つです。自分は被害を受けたことがないので読んでいてクスッとしましたが、一度ならともかく何度もやられたらイラッとしそうですね。自分がやらないことと、やっている人がいたら対応に動くことを心がけたいです。本書にはクイズおじさんの対策事例も書かれており、このテーマについて書かれた数少ない本の一つだと思います(少なくとも自分は他に見たことがありません)。

ITエンジニアは技術的負債という言葉が大好きです

思わずクスッとしたインパクトのある一文でした。実際自分も好きです(?)。また、本書には技術的負債は「名誉の負傷」であるとも言えると書かれていましたが、いい例えだなと思いました。

マサカリとマシュマロ

目上の人からの強く鋭い指摘を「マサカリが飛んでくる」と表現します。

(中略)

「安全な指摘をしながら競い合いましょう」というマシュマロのような指導が多くの若手エンジニアから求められています。

アニメや漫画のタイトルみたいだなと思ったのはさておき、歴史的な経緯や心理的安全性を絡めて解説されていて良かったです。「そういえばマシュマロ投げるサービスあったような?」と思って調べてみたら同じような意味でサービス名として使われていました。