『1 on 1ミーティング 「対話の質」が組織の強さを決める』を読んで


はじめに

『1 on 1ミーティング 「対話の質」が組織の強さを決める』という本を読んだのでアウトプットします。以降記事内では『本書』と省略します。

どんな本か

内容や目次は↓に記載されています。

www.diamond.co.jp


なぜ読むのか

  • 1on1への理解を深めたいと思っており、前に読んだ『ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法』と同じ著者ということで読んでみたくなった


ざっくり感想

著者の前作『ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法』から3年以上経過した中で1on1の普及や前作への反応を受けて、著者の中でアップデートされた内容や改めて伝えたいことを中心に書かれていました。ただし前作を読んでなくても問題なく読むことができると思います。

1on1導入企業の事例紹介で約70ページ、専門家へのインタビューで約100ページもあり、いろんな考えや取り組みを知ることができて面白かったです。サッカーファンとしては上野山さんのインタビューはテンション上がりました。ただ逆に事例紹介やインタビューが多すぎて嫌という人もいそうだなと思いました。

その他にも1on1の目的の章はコンパクトにまとまっていておさらいしやすくて好きです。スクリプトと解説も構成として新鮮で面白かったです。発売がCOVID-19流行後とはいえタイミング的に難しかったかもしれませんが、もう少しリモートでの1on1についての話があったらさらに嬉しかったですね。

印象に残った話

著者の本間さんと専門家の対談がラスト約100ページに書かれています。その中でも渡辺三枝子さんとの対談が印象的でした。

渡辺三枝子さんとの対談では今後意識したい考え方の話が複数ありました。例えば276ページのスモールトークの話。

優れたリーダーを調べていくと「スモールトークがとてもうまい」と言うんです。スモールトークというのは1on1じゃなくて歩いているときなんかにパッと言う一言です。 (中略) こういうリーダーが注目しているのはドゥーイングよりもビーイングなんです。営業でいうと、「頑張ってね」よりも「頑張ってるね」っていう、このたった一言の使い分けでパフォーマンスが大きく変わる、ということです。

普段リモートワークだとスモールトークがあまり発生しないかもしれませんが、スモールトークでなくても"ドゥーイングよりもビーイング"は効果がありそうなので意識したいなと思いました。

新たな知見

ホーソン研究

137ページで登場。

ホーソン研究でググると「ホーソン実験」で結構ヒットするのでホーソン実験と呼ぶ方が一般的なのかもしれませんが、アメリカのホーソン工場で1924年から1932年にかけて行われた生産性についての実験です。 「照明実験」「リレー組み立て実験」「面接調査」「バンク配線作業実験」という4つの実験が行われました。研究の結論については本書では以下のように解説されています。

この研究の結果、「労働者の作業能率は、客観的な職場環境よりも、職場における個人の人間関係や目標意識に左右されるのではないか」という仮説が導き出された。

また以下の記事がわかりやすかったので結論を引用させていただきます。

www.recme.jp

  • 客観的な労働環境や労働条件は生産性にあまり影響を与えない
  • 作業の役割分担とは無関係に形成されたインフォーマル・グループが生産性に大きく影響する
  • 周囲からの注目・評価が生産性に影響を与える

ジョハリの窓

220ページで登場。

自分の理解は以下の通りです。

4つの窓が1つの枠の中にあり、それぞれの窓の大きさが可変すると考えます。

開放:自分も他人も知っている
盲点:自分は気づいてない, 他人は知っている
秘密:自分は知っている, 他人は気づいてない
未知:自分も他人も気づいてない

他人からのフィードバックによって新たな気づきを得ると盲点の窓が狭まります。自己開示によって自分のことを他人に知ってもらうことで秘密の窓が狭まります。盲点の窓か秘密の窓が狭まると、開放の窓が広くなります。開放の窓が広いほど自己認識と相互理解が深まっており、組織やチーム内での良好な人間関係の構築やパフォーマンスの向上に繋がるという考え方です。

認知的徒弟制

231ページで登場。

本書と合わせて以下の記事で何となく流れは理解できましたが、もう少し調べて実践してみないとわからないのでまた別の機会に触れたいと思います。

schoo.jp

www.igaku-shoin.co.jp

www.igaku-shoin.co.jp