『替えがきかない人材になるための専門性の身につけ方』を読んで


はじめに

『替えがきかない人材になるための専門性の身につけ方』という本を読んだのでアウトプットします。以降記事内では『本書』と省略します。

どんな本か

内容や目次は↓に記載されています。

www.forestpub.co.jp


なぜ読むのか

  • ソフトウェアエンジニアとして専門性のなさを感じているから


ざっくり感想

テクノロジーの進化、特に近年のAIの進化により、仕事そのものやビジネスパーソンに求められることが急速に変化しています。そんな現代で生き残って活躍していくためには「専門性」を身につけるべきであるというのが著者の考えであり、その理由や方法について詳しく書かれています。専門性の定義から改めて考えさせられました。

専門性の大切さや、何をすべきかという話は納得できる部分が多かったです。耳が痛い話もあり、頑張らないとなと思わされましたし、勉強になりました。例えば、本書で紹介されている専門性が身につかない4パターン「すぐ役立ちそうな知識を吸収しようとする」「年収をアップさせるために勉強する」「過去の実績や経験に価値を置いている」「仕事に直結する専門分野しか目に入らない」は意識してそうしているわけではなくても、そうなってしまいがちだなと思いました。各パターンについて気になる方は是非本書を読んでください。本と論文の話も面白かったですね。

ただ本書に書かれている通りに全て実践していくのは結構ハードル高いなとも思いました。本書を読んで、実際に研究内容を学会で発表するところまでやる人は一握りだと思います。しかしだからこそ、専門性があると他の人と差をつけられるだろうなと思いました。自分もソフトウェアエンジニアとして、本書と全く同じようにできなくとも、「研究」を意識して少しずつ自分にできる形で専門性を身につけていきたいと思いました。

蛇足ですが、Amazonのレビューに以下のように書かれていますが個人的には例え話は結構好きでした。

例え話が上手ではないのか、何を伝えたかったのか混乱しそうになる。


印象に残ったところ

専門性の定義

すでに存在する専門知識を「インプット」することではなく、新たな専門知識を「アウトプット」できることを意味します。

(本書P.6から引用)

専門性とは「専門知識を知っているかどうか?」ではありません。

(本書P.125から引用)

本書を読むまでは正直専門性について正しく理解してなかったです。「戦国時代の知識が豊富な人=戦国時代の専門家」のように「特定分野の知識が豊富=専門性」だと考えていました。専門性に対する考え方を変えてくれただけでも本書を読んで良かったと思えます。

プロ意識

プロのスポーツ選手は試合以外の時間を使って自分の責任でしっかりと練習をするのが当たり前ですが、プロのビジネスパーソンは、仕事以外の時間を使って自分の責任でしっかりと学ぶ習慣のない人が多いです。

(本書P.64から引用)

勤務時間というのはいわば試合中ですので、試合の中だけでうまくなろうとするのではなく、練習時間をしっかりと設けて、自分の技に磨きをかけるのがプロのビジネスパーソンとしての作法になります。ちゃんと練習をしないまま、ある日突然、英語を話せたりプレゼンがうまくなったり、プログラミングできるようになったりしないのと同様に、朝目覚めたら専門性が身についていたということは、残念ながら起こらないのです。

(本書P.69から引用)

"プロのビジネスパーソン"の定義はともかく、ソフトウェアエンジニアも同じだと思っているので、できているかはともかく自分は業務時間外で自己研鑽を続けたいと思っています。

ただしこの考え方は他人に押しつけるものではないと思っているので、全てのソフトウェアエンジニアは業務時間外にすべきである!とは言いませんし、この考え方が当然であるように振る舞わないように心掛けています。

アウトプットを意識したインプット

専門家の講演を聞くときに、「わかったわかった」と自分が理解して終わるのと、「聞いた内容を会社に持ち帰って、みんなに説明してください」と事前に言われているのとでは、インプットの姿勢が全く変わってきます。専門性を身につけることを目指すうえでは、インプットは目的ではなく手段ですので、手段を目的化させることなく、アウトプットを目的としてインプットするのが重要です。

(本書P.186から引用)

自分が本を読んだらアウトプットとしてブログに記事を書いているのもこれが理由として大きいです。ブログに記事を書くと決めて本を読むことで、なんとなく読んで終わりにならないようにしています。