『ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法』を読んで


はじめに

『ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法』という本を読んだのでアウトプットします。以降記事内では『本書』と省略します。

どんな本か

内容や目次は↓に記載されています。 www.diamond.co.jp

なぜ読むのか

  • 1on1への理解を深めたかったから


ざっくり感想

なんとなくしか知らなかった1on1の全体像を学ぶことができる本でした。1on1の効果、テクニック、実践例、ヤフーの取り組みなどをこの1冊で知ることができます。マネジメントする立場にいる人であれば、1on1をやる気にさせてくれる本だと思います。

個人的には「1on1のFAQ」という、1on1についての質問や否定的な意見に対して著者が回答している章が面白かったです。実際に運用していて同じ状況になった時に役立ちそうだなと思いました。

経験学習について

今回は本書を読んで初めて知ったことの1つである"経験学習"についてアウトプットしておこうと思います。

ヤフーが1on1に取り組む理由の1つに「社員の経験学習を促進させる」という理由があります。経験学習とは、経験から学ぶことに重きを置く人材育成の方法です。

本書では「7:2:1」の理論が紹介されていますが、調べてみるとロミンガーの法則という名前であることがわかりました。一般社団法人日本能率協会では以下のように紹介されています。

人材育成において、「70:20:10」の法則というものがあります。「ロミンガーの法則」と呼ばれているものです。米国のリーダーシップ研究機関であるロミンガー社が、様々な経営者を対象に、何がリーダーとしての成長に役に立ったのかを調査したところ、「経験」が70%、他者からの「薫陶」が20%、そして、「研修」は10%であったそうです。

数字の妥当性はともかく、経験の割合が大きいのはしっくりきます。自分のキャリアを振り返っても、薫陶や研修と比較して経験が圧倒的に大きいと感じます。

本書に書かれているのは、ただ経験するだけではなく経験を学習に変換するアクション(=振り返り)が必要であり、そのための場が1on1であるということです。1on1では経験学習のサイクルをまわすことで成長を促します。詳細はヤフーのCorporate Blogにも書いてあります。

業務での具体的な経験(失敗と成功)

内省による振り返り

得られた教訓や気づきの明確化

次の業務への適応や、応用できる理論への昇華

本書には具体例も合わせて紹介されているので、気になった方はぜひ読んでみてください。

ロミンガーの法則についての補足

70:20:10という数字については実証するデータはないそうです。あくまで「仕事から学ぶことが多いよね」ぐらいの感じで捉えるのが良さそうです。

www.ipii.co.jp

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